ドルジェ・シュクデンについて、キャブジェ・ツォン・リンポチェ猊下のお話
キャブジェ・ツォン・リンポチェ、ドルジェ・シュクデンのイニシエーションとご利益を語る。
キャブジェ・ソン・リンポチェはチベット出身の博学な学者、司祭、そして最高位にある実践者であった。このビデオの中でキャブジェ・ソン・リンポチェは、アメリカでのチベット仏教の伝道のパイオニアの一人であるゲシェ・ツルトゥリム・ゲルツェンの求めに応じ、ドルジェ・シュクデンの献身のイニシエーションについて、そしてその実践法と恩恵享受について明晰な説明とアドバイスを与えている。
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ロスアンジェルスにて、ゲシ・ツルトゥリム・ギェルツェンがキャブジェ・ツォン・リンポチェ猊下にドルジェ・シュクデンのソグテ(イニシエーション)をお願い申し上げる。)
私の根本の師であるキャブジェ・ツォン・トゥルク・ドルジェ・チャン・ロブサン・ツンドゥ・トゥブテン・ギェルツェンが、化身神格ガルチェン・ドルジェ・シュクデンに生涯を捧げるイニシエーションと、真正かつ卓越した紀伝と説話を与えてくださります。その様子を記した音声による記録がこちらです。
弟子である私、ゲシ・ツルトゥリム・ギェルツェンが公式にお願いいたしました。
キャブジェ・ツォン・リンポチェ、ドルジェ・シュクデンのイニシエーションとご利益を語る。
このドルジェ・シュクデンのイニシエーションを受けた後月に一度プージャを受けなければなりません。また、献身的に従い、そして系譜と秩序を守らなければなりません。
それが意味することは、例えば、異なる伝統から教えを受けることがあるかもしれませんがしかし主として、あなたの実践、あなたの焦点、あなたのエレルギーはこの系譜、すなわちゲルグ派に注がれなければならないのです。
もしあなたが他宗派のなんらかのダーマ的活動を行わなければならない、あるいは行いたいと願うのであれば、そのようなことはあっても構わないのですが、しかし、あなたの主となる実践、あるいは、原理的な実践は、このラマ・ツォンカパの系譜に献身的であらねばなりません。だから、私が以前、あなたは知っていなければならない、もし不確かであるならば、イニシエーションを受けるべきではない、と言ったのです。一度このイニシエーションを受けたらあなたはゲルグ派の系譜に献身的でなければならない、そしてこのことは全てを混乱させないために必要なのです。
「ああ、シュクデンのイニシエーションは・・・・」などと人々が噂をすることがあります。シュクデンのイニシエーションを受ける必要はない、という人たちもいます。あるいはまたシュクデンは良い護法尊ではないという人たちもいます。
それは真実ではありません。このシュクデンのイニシエーションを受けた人々はそしてドルジェ・シュクデンを実践する人々はそのような人々は非常に優れた瞑想と実践に成功するのです。世俗的な方策、例えば、世俗的な活動やビジネスや仕事、全てが非常にうまくいくのです。
ドルジェ・シュクデンは ゲルグ派の護法尊ですので、ある人々はこう言います、「ゲルグ派の護法尊」という言い方は心が狭い人の言い方だ、とかまた、シュクデンを実践する人々は心が狭い、と彼らは考えます。シュクデンを実践する人々は偏狭な人々だ、と彼らは考えるのです。実際のところは、偏狭などではありません。おそらく彼らこそが偏狭であるので、シュクデンを実践する人々が偏狭だと彼らは考えてしまうのでしょう。人々は色々な話や噂をでっちあげます。そのことをあなたは知っておく必要があります。
シュクデンのイニシエーションと教えを受けた後、このような噂を聞けば無知な人たちだな、と考えます。偏狭な人々がそのような噂を立てるのだ、と。また、その噂を真実だと考えてしまう人々がいます。そしておそらくそのような人たちはその実践をやめてしまったり、この護法尊を持ちたくないとさえ考えます。それは非常によくないことです。そしてそれはその人にとってよくないのです。
実際のところ、あなた次第なのです。何をしたいのかは、あなた次第なのです。あなた自身の人生です全てはあなた自身の選択であり自由です。そしてあなた自身の悟りです。そしてあなたが何をしたいかしたくないかは、あなた次第ですが、私が話しているのは、何があなたにとって良いのか、なのです。あなたは自分のすることについてとても注意深くなければなりません。騙されやすくなってはいけません。他の人が「これは良くない」ということにただ追従したり人々から聞くこのような話に全て聞き耳をたててしまうべきではありません。考えを変えるべきではありません。そして常に意識をし確認しなければなりません。
チベットでは人々が何を言うかは問題ではありません。実際チベットでは、多くの人々がこれに従い、この実践を行い、そして実際ますます多くの人がこのような種類の瞑想を行うようになっています。
ですから、あなたはこのことを知らなければなりません。あなたは確信を持たなければなりません、そうでないと後にもし人々が「ああ、この実践は良くない」とあなたに言い、そして彼らが色々な話をし、噂をたて、そしてあなたが実践をやめてしまったら、それはあなたに良くないことであり、あなたにとって大きな過ちになるのです。それゆえ、あなたは必ず献身的にこれに従い続けなければなりません。
これはあなた自身の選択でありそして、あなたがこれをするべきだとかあなたはこれをしなければならないということは誰にも言えません。あなた自身、あなたがこれをすることを選ぶ、ということなのです。したがって、このことについてあなたはとても注意深く考えなければなりません。あなた自身が選択しないまま、誰かに、これをしなければならないと、言われることはありません。つまり、もしあなたがしたくないのであれば、誰もあなたに「これをするべきだ」「これをするべきではない」と言うことはできないのです。
ドルジェ・シュクデンはゲルグ派の護法尊であると言うとある人々は「ゲルグ派の護法尊」と言う我々のことを心が狭いと考えます。そして彼らは、シュクデンを実践する人々のことを心が狭いと考えます。そして彼らは、シュクデンを実践する人々のことを偏狭だと考えます。実際は、偏狭ではないのです。おそらく彼らこそが偏狭であるのでシュクデンを実践する人々が偏狭であると彼らは考えるのでしょう。人々は色々な話や噂をでっちあげます。あなたはそのことを知っておくべきです。
これは非常に特別な護法尊であり、そして非常に尊いのです。したがってあなたは毎月プージャを行わなければなりません。
月に一度、そのプージャを行わなければならないのです。その祈り、長いサドハナ、長い祈り、を月に一度しかし、もし、例えばもし翌月、もしあなたが非常に忙しくなることがわかっていてこれができない、不可能だとわかっているなら、翌月のためのそのプージャを、この月に行うことができます。前の月に、二つのプージャを2日で行うことができます。
もしサドハナの読み方がわからなければ、その祈りの読み方がわからなければ、もしサドハナを行うことができないのなら、聖人に、あるいは僧に、あるいは導師にあなたの代わりにこれをしてほしいと頼むこともできます。
あなたが本当にこのイニシエーションをしたいということを知ることがとても重要です。他の人たちがこのイニシエーションを受けているからここに来てこのイニシエーションを受ける、そのようなことではいけません。「これをするべきだ、もししなければ、何か逃してしまうことになだろう」と感じるのであれば、それは誤った考え方です。もしあなたが本当に献身的でありたいのなら、あなたはイニシエーションを受けるべきです。そうでなければ、受けるべきではありません。
前に述べたように、もし祈りの言い方がわからなければ、そしてもし月に一度プージャを行うことができないのならば、聖人、あるいは祈りや毎月のプージャを知るあなたの友人にあなたの友人に、お願いをすることができます。彼らを自分の家に招きそしてプージャを行うように頼むことができます。
また自分の家でプージャをすることができないのならば、例え遠く離れたところであっても例えば僧院のような場所やあるいは聖人やその友人がいる場所で、その人に頼んでこのプージャを行うことができます。
このことを何度も私が話している理由は、あなたが誰にでもただついていくような人ではない、騙されやすくない、というのであれば良いのですが。
しかし、時に聖人や僧や導師のような人でさえも、「これは正しくない、間違っている、このようなことを実践するべきではない」とあなたに言い、そしてあなたが考えを変えてしまう、ということがあります。「聖人や導師のような人が私にこう言っているのだから、おそらく本当なのだろう」とあなたは考えてしまうかもしれません。人は周囲に影響されやすく考えを変えてしまうことがあります。
そしてそれが西洋人の多くがダーマを深く知らない理由の一つです。だから彼らは全ての意味を、象徴性や意味を深く知ることができないのです。彼らはまた、誰が正しい導師であり、誰が正しい導師でないのかわかっていません。彼らはただ導師や聖人がいればどこにでも出かけて行き、そして彼らはどんな教えにも耳を傾けてしまいます。だからなのです。西洋人は一般的にとても正直な人々で非常に直接的であり、そしてとても良い人々です。彼らは良い心の持ち主です。
インドやチべットのような場所では人々はシュクデンを実践していない場合があります。それなのに、自分たちはシュクデンを実践していると言っています。またある人々は実際に実践しているのに、何か別のことを言います。人々が言っていることと行っていることが異なるのです。ということは、そこにはなんらかの誤りがあります。
インドではある人々が別の人々に誤った導きを与えています。あるチベット人たちがシュクデンのプージャを行ってほしいと求めた時に彼らはこう言うのです。「よろしい、私があなたの為にプージャを行いましょう」しかし彼らが実際に行うのは何か別のものであり、シュクデンのプージャではなく、別の違うプージャなのです。彼らにプージャを行うように求めた人々はそれをわかっていません。もし、彼らが読み書きができない場合に、こうした人々は自分たちはシュクデンのプージャを行っていると言うのですが、実際には行っていません。彼らは何か別のことを行い、自分たちがしたいと思うことをしているだけなのです。それは非常に悪いことです。
彼らがそのようなことをする理由は、インドやチベットでは家主が在家の人々や僧を招きこのプージャを行います。それは長いプージャであり長い1日となります。家主はダーナのような捧げ物を作ります。しかし、嘘をつかれているのです。シュクデンを行っていると言いながら、実際には行っていません。そして実際彼らはシュクデンのプージャを行うことを好まず、なんらかの利益や金銭を得る為に、あるいは何か別の理由で、彼らはそのプージャを行っていると言うのです。そしてそれは非常に悪いことであり、輪廻をさまようモチベーションとなります。
やがてそれらの人々はシュクデンのプージャを求めた家主たちは知るでしょう、あるいは気づくことになるでしょう。彼らはこの人たちが正しいプージャを行っていないということがわかるのです。なぜなら、彼らは、それが助けになっていないと感じるからです。それは効き目がありません。なぜなら正しいプージャを行っていないからです。やがて彼らは直感的に感じます。なぜなら助けになっていないからです。正しいとは感じられないのです。彼らはそのような人々に、そのようなプージャを行って欲しくないと言うことになるでしょう。そしてシュクデンのプージャを行う人々がシュクデンを実際に実践している人々であることを確かめてほしいと誰かに頼むことになるでしょう。
ここでは、私たちにはそのような問題はありません。そして間違いがありません。あなたにある種の理解を持っていただく為に私は一般的な話についてお話ししています。
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キャブジェ・ツォン・リンポチェ、ドルジェ・シュクデンの歴史と系譜を語る。
このビデオの中で、チベット出身の博学な学者、司祭、そして最高位にある実践者であったキャブジェ・ソン・リンポチェは、ドルジェ・シュクデンの化身の系譜について、そしていかにその実践が生まれたかについて、ドルジェ・シュクデンの強力な霊的成就と貢献を示すその前世の例を交えながら語っている。この非常に稀な講義は、1970年代以来西欧で多くの弟子に教えを授けたパイオニアの一人であるゲシェ・ツルトゥリム・ゲルツェンの要請で実現した。
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その護法尊は現実にあり、そしてバジュラパニの現れである。千仏の中で言えば、サングェ・フルングゼイ、すなわち千仏の最後の仏である。彼は菩提心を生み出し、そしてその仏陀以前の999の仏陀が行ったことを全て自分は行うであろうと言った。
彼は、リンチェン・ニンポとともに、菩提心を生み出し始めた。宝石の本質である。それを始めとして、彼は以来彼はいろいろな行いの中で価値あるものを作り出してきた。歴史において、このことについて考えてみると我々の国においては、偉大なるマハシッダであるプトゥンがいた。プトゥンはまたその護法尊の現し身であった。
それ以前、インドではその護法尊は偉大なる師として現生に現れていた。名前はマハシッダ・ビルパだった。
インドでビルパの時代に、多くの僧侶や仏教学者のいる非常に大きな僧院があった。一つの場所に500人もの人々がいた。そしてアティーシャはその僧たちの誇り高き指導者だった。ビルパはその僧院で暮らしていた。そして彼はまた偉大なる学僧の一人であった。
ツォクの供え物として、彼は小さな酒の瓶を持っていた。それは彼のそのタントラへの献身であり、それゆえそれを所持していた。
僧たちの指導者であったアティーシャがその酒を見つけ、こう言った。「あなたは僧院に留まることはできない。僧院を離れなければならない。なぜなら」「あなたは僧院内で酒を所持しているからだ。あなたは去らなければならない。」と。
ビルパはアティーシャに、「この酒は私に害を与えることはありません」と言った。
アティーシャは言った。「それがあなたに害を与えることが無いことはわかっているが、しかしそれは他の者たちに害を与えるのだ。だから、あなたは僧院を去らなければならない」と。そして僧たちが読経堂に集まった時、ビルパは言った。「私は悪人だ、だからその扉を通ることはできない。だから上に上っていかなければ。」そして彼は座布団に乗り跳ね上がって天井を通り抜け、宙に上がっていった。
そして彼は去っていった。ガンジス川というインドにあるとても大きな川に彼はたどり着き、こう言った。「私は悪人だ。だから、もし私があなたを渡ってしまうと、あなたも悪い川になってしまう。だからあなたは私から離れていた方がいい。」彼が川にそう言った時、その川は二つに分かれたので、彼はそこを通り抜けた。
そして、彼はある寺に着いた。そしてその寺では毎日人々が多くの動物を神への供え物として捧げていた。彼はその寺の中に入り、神の像の所まで来て、そしてそのとても感情な大きな像を膝で押して外へと押し出した。
その神の信者たちは動揺したが、ビルパに異を唱えることはできず、こう言った。「どうかその像を寺の中に戻すことを許してください。私たちは元のように寺の中にその像があってほしいのです。どうかそれを戻してください。」ビルパに彼らはこのように頼んだ。するとビルパはこう言った。「では寺の中にこの像を戻しましょう、しかしあなた方は約束をしなければなりません。最初にあなた方にあることをしてもらう必要があります」と。
「何を約束すればいいのですか?」と彼らは尋ねた。
「これ以上この神への捧げものとして動物を殺さないということです。そしてまた、あなた方がこの神に供え物をする時は米や何か他の食べ物を用いてください。もしあなた方がそれを約束するならば、私は寺に像を戻しましょう。」
その寺の中には、ダーキニーであるナムキー・ジェツンの像もあった。ビルパはその像の所に行きダーキニーの像の頭の部分を軽くたたいた。するとダーキニーの頭は体の中に吸い込まれ頭がなくなった。
頭がその石の体の中に入っていくと、ビルパはその二つの耳を引っ張り上げそれぞれの手でそれぞれの耳を持ち、そして頭を元のように戻した。
以来、その女神はラーモ・ナンジュルマという新しい名前を持つようになった。それは「耳をつかまれた」という意味であり、こうしてその女神はその新しい名を得たのだった。
インドではビルパはまたダーマを教え、発展させ、そして普及させた。その後、彼はネパールに行った。そこで彼は、石でできたラーモ・チャンディカの像を目にした。
そのころネパールでは数学や、預言や、予知能力のようなもので未来を調べる人々がいて、彼らはある時動物たちを生贄にする必要がある、と言った。200万匹ほどの動物を殺す必要があり、それは3年以内に生贄にしなければならず、そしてもしそれをしなければネパールの政府や人々がそれをしなければその国にとてもひどいことが起きると言った。
ネパールの政府は生贄を行いたかった、実際、国のことを考えればこの生贄を行わなければならなかった。しかしそのように多くの動物はいなかった。どうしたらよいのか、と彼らは考えていた。するとビルパはこう言った、「心配しなくても大丈夫です。私に考えがあります。200万もの動物は必要ありません。必要なのは黒ゴマの実だけです。多くのゴマの実の袋だけです。」
ネパール政府はラーモ・チャンディカに捧げものをする必要があり、ビルパが火のプージャを行っている間に、人々は薪の中にラーモ・チャンディカが現れるのを見た。ビルパがラーモ・チャンディカにゴマの実を手で差し出した時人々は多くの動物のように見えるものが散るのが見えた。
その時、ビルパは非常に高い質の非常に高い名声のダーマの、パワーを持っていた。その後彼の世代で、私たちの国においてはパンチェン・ラマであるシャキア・シェラブがいる。彼はまたそのマハシッダの生まれ変わりでもありそしてパンチェン・ラマ、シャキア・シェラブは非常に偉大な学者でもあり、単に学者であるだけでなく、マハシッダでもあり、非常に偉大な学者であった。
後にプトゥンが現れた。8代 シャブジェ・シェラブの世代に、偉大な学者であるプトゥンとしてその護法尊は現れた。
彼が去った後も、護法尊はまたラマ・ツォンカパの時代に転生し、その時代に、偉大なるマハシッダ、ダルジン・タクパ・ギェルツェンとして生まれ変わった。
そしてダルジン・タクパ・ギェルツェンも転生し、そしてまたその後その護法尊は、パンチェン・ソナム・ドラッパとして現れた。パンチェン・ソナム・ドラッパは3代ダライ・ラマの教師であり、パンチェン・ソナム・ドラッパは非常に優れた質と、そしてまた非常に高い名声を持っていた。そしてその後は、ソナム・イェシ・ワンポとして転生した。
ソナム・イェシ・ワンポが去るとその護法尊の次の転生は、トゥルク・タクパ・ギェルツェンであった。
トゥルク・タクパ・ギェルツェンは非常に偉大な学者だった。13歳の時にすでに非常に偉大な学者であり、ラムリムの実践の手ほどきを受け、明晰な自己理解、そして教える能力を備えていた。彼のグルはパンチェン・ロブサン・チョキである。
ラマ・ツォンカパの時代に、政府の護法尊であるニーチュン・チョキヨンはその真の姿を現さずに、一人の若い少年となってこの世に現れ、何度もラマ ・ツォンカパを訪ねた。ラマ ・ツォンカパとその弟子たちに少年の姿をしたニーチュン・チョキヨンは、「助けてください、助けが必要なのです、誰が助けてくれますか」と尋ねた。
彼は何度も頼んだが、「私が助けましょう」と言う人は誰もいなかった。
ある日当時ラマ ・ツォンカパのもっとも古い弟子であったダルジン・タクパ・ギェルツェンが「この少年は今まで何度もここにやって来ている」と気づきそしてこう言った。「私があなたを助けましょう、私があなたを助けましょう」と。
するとその少年は ダルジン・タクパ・ギェルツェンに「今言ったことを忘れないでください、決して忘れないでくださいね」と言って、消えてしまった。
その頃この少年が現れた時代はそれはラマ ・ツォンカパの時代であった。初代ダライ・ラマ 、ゲンドゥン・ドゥプパはラマ ・ツォンカパの弟子である。以来、初代ダライ・ラマ2代、3代、4代、5代とその後の5世代を経た後にトゥルク・タクパ・ギェルツェンが現れた。トゥルク・タクパ・ギェルツェンはラマ ・ツォンカパの時代にすでに現れている。彼はダルジン・タクパ・ギェルツェンその人であった。5代ダライ・ラマの時代になり今度はトゥルク・タクパ・ギェルツェンとして転生したのである。
ある日トゥルク・タクパ・ギェルツェンは神託官の所に出かけた。その神託によりニーチュン・チョキヨンが現れ、他の人々もいる中、「私に約束したことを、あなたは覚えていますか?」と尋ねた。
トゥルク・タクパ・ギェルツェンは「覚えていません」と答えた。
ニーチュン・チョキヨンはトゥルク・タクパ・ギェルツェンに麦をいくらか渡し、「この麦を受け取り、燃やして、匂いを嗅いでごらんなさい。」「そうすれば思い出すでしょう。」と言った。トゥルク・タクパ・ギェルツェンは家に戻り、麦を燃やすと、ニーチュン・チョキヨンが少年の姿でこの世に現れたことと自分がその少年に助けると約束したこと、過去の全てを思い出した。
そして思い出すと、「これは護法尊としての形を表す必要がある」とトゥルク・タクパ・ギェルツェンは考え、そしてニーチュン・チョキヨンにそのことを伝えた。ニーチュン・チョキヨンとは別に、ダムチェン・ドルジェ・レグパというダーマの護法尊 がいる。彼もまた非常に力の強い護法尊である。
ダムチェン・ドルジェ・レグパ もトゥルク・タクパ・ギェルツェンにこう言った。「今、この時代は幸運な時代です。私たちには真のダーマがあり、これは黄金のようなラマ ・ツォンカパのシステムです。そしてまた、もしあなたがその護法尊となれば、あなたは彼の最高の護法尊となります、あなたはラマ ・ツォンカパのシステムの最高の護法尊となります。」
そして次にトゥルク・タクパ・ギェルツェンが ニーチュン・チョキヨンの所に出向いた時、ニーチュン・チョキヨンは神託官を通して姿を表した。ニーチュン・チョキヨンは「私がそれをしましょう、私が護法尊の形を表しましょう、しかし私は今ここでは、あなたが護法尊になるのに必要な死を引き起こすことができません。」
何が死を引き起こすのか?怒りを作る人や、悪い行動を作る人、それらが死を引き起こし、そして護法尊の形が現れる原因になるのである。トゥルク・タクパ・ギェルツェンは、「私にはそのような問題は何もありません」と言った。するとニーチュン・チョキヨンは「あなたはラサに行きなさい」と言った。「あなたの死を引き起こすものを私がそこに作ります」、ニーチュン・チョキヨンはトゥルク・タクパ・ギェルツェンにそう言った。
それがニーチュン・チョキヨンがトゥルク・タクパ・ギェルツェンに言ったことである。そしてトゥルク・タクパ・ギェルツェンはラサに行った。ラサはチベットの首都であり、彼がラサに留まっている間、チベットの人たちは、地元の人々も、遠方からの人々も、彼に会いにやって来た。彼の評判はダライ・ラマ法王よりもはるかに高く、それゆえ、ダライ・ラマの従者の一人であったデシ・サングェ・ギャッソは怒り狂い、そしてトゥルク・タクパ・ギェルツェンを殺そうとした。
そして5代ダライ・ラマの従者、デシ・サングェ・ギャッソはトゥルク・タクパ・ギェルツェンを殺してしまった。しかしダライ・ラマ法王は全く何も知らなかった。そしてこの従者はダライ・ラマ法王に、トゥルク・タクパ・ギェルツェンは非常に体の具合が悪い、と語った。ダライ・ラマ法王はこう言った。「もし彼が体の具合が悪いのであれば、私は彼に会いに行きたい」と。」
するとデシ・サングェ・ギャッソは「いや、あなたはそこに行くことはできません。法王様、そこには行かないでください、彼のご病気はとてもひどいものなのです。悪い影響があります。非常に悪い影響があります。あなたにとって良くないのです。どうか行かないでください。」そして、法王がそこに行かないようにして、トゥルク・タクパ・ギェルツェンの遺体を焼いてしまった。
遺体を焼いている時、とても特別な煙が、虹とともに舞い上がった。まるで柱のように、虹と煙が宙に向かってまっすぐに、とても長い柱のように舞い上がった。
そしてこの虹と煙の混ざったものは空に上がって行った。その時トゥルク・タクパ・ギェルツェンの従者は非常にうろたえていた。どうして人々がトゥルク・タクパ・ギェルツェンに対してこのようにひどい事をしたのだろうかと、従者は考えていた。トゥルク・タクパ・ギェルツェンが殺されてしまった事、そしてトゥルク・タクパ・ギェルツェンが人々にされたいろいろなひどいことについて考えていた。しかし、トゥルク・タクパ・ギェルツェンはそのようなことについては何も考えず、まっすぐに浄土に向かっているかのように見えた。トゥルク・タクパ・ギェルツェンの従者はそれが耐えられなかった。
「あなたはどうして何もせずに浄土に行ってしまうのですか」その従者の法衣が煙に当たると、煙が降りて来た。煙はもう上に上がって行かず、地上に向かって降りて来た。そしてその地域全体が虹と煙で地上が霧のように覆われてしまった。
そして彼は怒りの形となって現れた。非常に力の強い怒りの形だった。そして彼は、ラサからサンプへと行き、サンプはラサの反対側にあり、そこにはセトラッパという護法尊がいて、これがセトラッパの大学であるが、彼はそこに行き、留まった。
そのころ、いろいろな不吉な予兆があった。この国、私たちの国にとって、とても異常な予兆が起きていた。皆、怖がっていた。
そして5代ダライ・ラマと彼の政府は、火のプージャで燃やそうとした。偉大な人たち、ダライ・ラマ法王、カルマパ、ドルジェ・トラ、そして多くの ガデン・カランパのようなそれらの強力なラマたちが火のプージャでそれを燃やそうとした。しかしそれは叶わず、何もできなかった。それほど強いものだった。
それゆえ、その時、彼らは知ったのである。彼らはこう言った、「あなたは護法尊です。ドルジェ・シュクデン。」そして以来、中国のその時代の王からも、彼の護法尊の名はあまりに偉大であるので多くの場所から、中国からも人々は多くの種類の捧げ物を護法尊に送った。護法尊は人々を助けるため、帽子を被り、旅をして回った。
それ以来、この非常に強い護法尊、非常に強く、偉大な質の護法尊の「ソグワン」はギャルチェンのイニシエーションを意味することになり、それ以来、その護法尊のイニシエーションを与えられる時には、ラマ・リンチェン・ワンギャルによる経典を通じてその神聖な護法尊のイニシエーションが行われた。しかしその後、その経典は失われてしまった。
経典が失われて以来、人々は、高いレベルにいる教師たちも、その護法尊のイニシエーションを受けることはできなくなってしまった。
そしてキャブジェ・パボンカと、そしてタップ・ドルジェ・チャンの時代がやってきた。タップ・ドルジェ・チャンは、非常に偉大なマハシッダだった。実に偉大なマハシッダだった。キャブジェ・パボンカはタップ・ドルジェ・チャンにこう頼んだ。「どうかその護法尊のイニシエーションを手に入れてください。私たちはそれが必要なのです。」
タップ・ドルジェ・チャンはトゥシータという天界に出かけた。ラマ ・ツォンカパがそこにいるからだった。そして トゥシータ天に行くと、ラマ・ツォンカパに会い、そしてそこでラマ・ツォンカパからその護法尊のイニシエーションを与えてもらった。2種類のイニシエーションだった。タップ・ドルジェ・チャンはそれを手に入れた。
ラマ・ツォンカパからタップ・ドルジェ・チャンに与えられたこのイニシエーションをタップ・ドルジェ・チャンは キャブジェ・パボンカに与え、そしてキャブジェ・パボンカはこのイニシエーションをタップ・トリジャン・ドルジェ・チャンに与えた。そして、タップ・トリジャン・ドルジェ・チャンは私たちのグルであるキャブジェ・ツォン・リンポチェ尊師にこのイニシエーションを与えた。彼は三度そのイニシエーションを受け、そして、グルたちに、4代に渡り与えられた。
タップ・ドルジェ・チャンはチベット人たちの偉大なるマハシッダであり、それは一般に誰もが知っていた。誰もが彼の偉大さを知っていた。仏陀の像が彼に向かって話しかけるほどの偉大さであった。それほど偉大なマハシッダだった。タラの仏像とタップ・ドルジェ・チャンは、ごく普通に会話をしている人同士のように、互いに話をしていた。
キャブジェ・パボンカは偉大なマハシッダであり、そして長い間、彼の長い歴史とこの時代においても彼は偉大なるダーマの行動を増加させ、発展させ、私たちの国チベット全体で、彼は教えを授け、ダーマを発展させ、私たちに実に良くしてくれた。彼はまたチャクラサムバラの現れ、チャクラサムバラの現し身である。
尊師ダライ・ラマはこう言っている、あなたは偉大な教師たちを、偉大なるマハシッダたちをイニシエーションを通じて持つことになる、と。そしてまた私たちには経典がある。もしあなたが実際にそのイニシエーションについて詳しく知りたいのであれば、それは経典の中にある。私はある経典の名を尊師に教えていただき、尊師を通じて、私は今回それを手に入れたのである。またおそらくあなたのためにコピーをすることもできる。だからまたあなたはこのセンターや他のセンターでそれを手に入れるであろう。だからもしあなたが学びたければ、これらの経典の解説を。
あなたの教師から学べるのだ。もし望むのであればインドでの印刷も可能だ。ゲシェラ尊師はそれはどこにあるのか述べた。
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キャブジェ・ツォン・リンポチェ猊下についての情報はこちらのリンクで:
- H.H. Kyabje Zong Rinpoche’s Commentary on Guhyasamaja
- 13-Deity Yamantaka by H.H. Kyabje Zong Rinpoche
- 6 Yogas of Naropa by H.H. Kyabje Zong Rinpoche
- HH Kyabje Zong Rinpoche teaches Gaden Lhagyama
- H.H. Kyabje Zong Rinpoche’s biography
- Kyabje Zong Rinpoche Cuts My Hair
- Kyabje Zong Rinpoche’s rare teachings
- Kyabje Zong Rinpoche: Birth, Death & Bardo
- Lamrim Teachings by HH Kyabje Zong Rinpoche
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